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日本で生きる8%のLGBTの人たち

日本で生きる8%のLGBTの人たち

博報堂DYホールディングスの調査によれば、LGBTに該当する人口は、全体の8%とのことだ。

この数字をあなたは多いと感じるだろうか、それとも少ないと感じるだろうか?

筆者は多いと感じた。8%ということは、25人に2人はLGBTであるという計算だ。これはつまり、学生時代、クラスに2人はLGBTの人間がいたということになる。もちろん若くしてカミングアウトできるような勇気を持った人は少ないし、表立ってわからないのは当然しても、にわかには信じ難い事実だ。

もちろん調査は全国民を対象にしたわけではないし、数字に誤差がない、とは言い切れない。だとしても、中学時代や高校時代、LGBTの人たちは友人にも言えず、苦しんでいたであろうことは容易に想像できる。筆者だって、そんな相談をされたことはないし、そんな相談をされたという人に会ったこともない(黙っているだけかもしれないが)。

事実に驚いた筆者の感覚には、日本の教育も影響しているかもしれない。学校で性は男女の2種類だと教わったし、SEXは男女でするものだと叩き込まれた。LGBTという概念すら、学校では教えてくれなかった。おそらくこれは、いまも変わらないだろう。しかし時代は変わった。多種多様なライフスタイルがあり、多様性のある生き方を受け入れていくことが求められる時代が到来している。ならば教育も変わる必要があるだろう。

だが、たとえばLGBTの教員が生徒にカミングアウトしたとしよう。生徒、そして親はそれを許容できるだろうか?

難しいかもしれない。ではどうすればいいのだろうか。まずは教育からLGBTの人間を採用するのはどうだろう。当然ながら、教員だって人間なのだから、LGBTであっても問題はない。そうすれば、ダイバーシティ(多様性)を知るいちばんの機会になるだろうし、LGBTへの理解を子どもの内から深めることは世界を捉える上でも非常に有効だろう。

しかしその答えはいま、まだわからない。

きっといつか、この問題が表沙汰になる日が訪れる。教師が実はLGBTだった――。そのとき学校は、生徒は、親は、どんな判断を下すのだろうか。同じ人間であること、人間には生き方を選ぶ権利があること。教育の中でも当たり前に提唱されていることが、当たり前に判断されるだろうか?

そんなことが問題になる可能性がある日本はやはり、まだまだLGBT後進国なのだと、原稿を書きながら再認識させられた。

<参考>
西日本新聞 「LGBTは8%、博報堂調査 「職場や学校で理解を」

2020.07.17

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。