LGBTの子どもは、いじめのターゲットになりやすい
LGBTに対する日本の理解は低い。大人の理解が低い以上、子どもの理解も低いのだろうなと、漠然とは思っていた。
先日、LGBT(性的マイノリティー)に対する日本の学校でのいじめの実態について、国際人権団体が初めての調査結果を公表した。結論は、「LGBTの子どもはいじめのターゲットになりやすい」というものだ。
調査をしたのは、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」。その結果、LGBTの生徒や学生らおよそ500人のうち、31パーセントが「暴言を吐かれた経験がある」と回答している。さらに29パーセントは「教師が暴言、否定的な発言をしているのを聞いた」と答えたそうだ。
同級生だけでなく、教師からも自分の存在を否定された子どもは、どこに向かえばいいのだろう。親にだって、告白できずに苦しんでいるマイノリティーが多くいるのに、だ。
振り返ってみれば、学校では当たり前のことばかり教わった気がする。だが、たとえば男性が好きな男性がいるなんてことは、学校ではまったく教えてくれなかった。筆者はそれをテレビで学んだ気がする。
いまはネットがある。それでも検索すら、しないのではないだろう。なぜなら、わかろうとしないから。知ることができる環境がある以上、“きっかけ”さえあれば、子どもだってLGBTへの理解を深めることはできる。
大人だけではない。子どもだって苦しんでいるのだ。それを今回の調査結果を経て、あらためて実感した。
具体的な事例を紹介するならば、TBS Newsに登場する重竹タイガーさんの話しは切ない。
――以下、記事から抜粋。
「物心がついた頃から、男性が男性を好きになるのは、当たり前だと思っていました。同級生から殴られたり蹴られたりといういじめを毎日のように受けました。(中略)学校では我慢し続けましたが、笑顔は消え、いじめから逃れるため、4年生の時、転校。今は都内のインターナショナルスクールに通っています」
彼が抱えた心の傷は、大人になっても完全に癒えることはないだろう。この体験が、トラウマになる可能性だってある。まずは教師から、日本の教育から。多様性のある生き方、LGBTに対する正しい情報を広く伝えて欲しいと切に願う。
<参考>
TBS News 「性的マイノリティーへの学校でのいじめ実態、初調査」
TODAY
広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。