グラスジェムポップコーンは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)関連ニュースを中心に、多様性のあるコンテンツを提供するLGBTウェブメディアです。

近所のオカマが良いこと言った ~スクープ記者編~

近所のオカマが良いこと言った ~スクープ記者編~

好評(まだ反応はないが、そういうことにしよう)のオジバの名言シリーズ。
連投ですが、今回はスクープを狙う記者編です。

先輩記者と新人記者(かどうか分からないが若め)との会話にオジバが切り込んだ!

~スクープ記者編~

いつもの昼下がり。オジバはスポーツ新聞を片手にコーヒーをすすっていた。
その隣では、たまに、オジバと会話をしながらメガネのおじさんと白髪のおじさんの2人が将棋を打っている。今日は日差しも暑く、涼を求めて喫茶店に入るお客が多いようで、賑わっている店内をマスターが汗をかいて走りまわっている。

場所がらなのか、出版系の人の出入りも多い、この店。打ち合わせ、取材、暇つぶし、この時間は出版系の人たちで賑わうことが多い。今年に入ってからというもの、芸能ネタが豊富で店に出入りする記者たちの顔つきは、いつにも増してギラギラしている(ように感じる)。

そんな中、2人の記者が手帳を片手に入ってきた。すみっこの席が良かったようだが、込んでいたので、仕方なく真ん中あたりの席に座るなり、お互いの手帳を見ながら、小さな声でボソボソと会話をはじめた。

いつものように、最初、オジバは知らんぷりである。
その隣では、「待った!」、「待ったなし!」の声がする。将棋は佳境のようである。

ようやく密談を終えた2人の記者は、顔もなごみ気味で美味しそうにコーヒーを飲んでいる。さきほどまでの、ボソボソとした声から一転して、ワンオクターブ高い声で、このネタで金一封だ、などと、取らぬ狸の皮算用をしている。個人的には、スクープを掴めば、今でも金一封などの報奨があることに驚いたが、その2人の話を聞いていると、ジャーナリズムや報道魂に燃えた記者かと思いきや、他人の不幸も自分の手柄、金のためなら何でもやる、というような2人のように感じた。いや、もちろん、少しの時間での判断なので間違っているかもしれないが。

「王手!」
「まいった。。。」
将棋は白髪のおじさんに軍配があがったようだ。

あーでもない、こーでもない、あの時のあの手がどうだったとか、勝負にタラレバは厳禁だが、そんな話をしている傍らで、白髪のおじさんは勝利の美酒ならぬ、勝利のコーヒーを美味そうに目を細めて飲んでいる。

オジバも将棋の勝敗が気になったようで、横から覗きながら、ウンウンとうなずいている。

その時である。
オジバは、記者2人が下品に笑っているほうをチラと一瞥しながら、こう言った。

「歩は成ると“金”。“金”は成ると真っ白け。」

オジバ、、、今のは確実に将棋に対するコメントではないよね! 魂を売り、“金”を追う2人への皮肉と捉えた私は気の回しすぎか?

2020.07.21

Share this story

  • Facebook
  • Facebook
ブッチ

ブッチ

高校卒業後に映画の都ハリウッドに行くことを真剣に考えたが、周囲に猛反対をされ、しぶしぶ大学に進学。しかし、年間1,000本以上の映画を観る映画オタクになっただけで、映画の道はあきらめきれずに映画会社にもぐりこむ。そこから、ズブズブとエンターテインメントの世界の底なし沼に嵌まり込み、今、人生の道を見失っている途中。次の分岐では、右に行くか、左に行くか。