性別適合手術、覚悟と努力 ～注目のYouTuber MtFじゅんじゅんの5年（3）～
（タイで手術した直後の写真）
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「裸の自分を見ると、いつも身体だけCGみたいだなぁと思っていました。女になりたいというより、私は男じゃないなぁ・・・って曖昧な感覚でした。」
20歳まで、その曖昧な感覚は続いた。じゅんじゅんのようにLGBTQの「Q」の状態が長く、20歳を過ぎてから性自認する人は多い。彼女が、はっきり「性別違和」と自覚したのは21歳の時である。
自覚できたからといって、ほとんどの場合、どうすればいいかわからない。彼女は、まず、心療内科に通った。「性別違和」は精神疾患ではない。いきなり治療するのではなく、カウンセリングを、まずは受ける。
「医師から自分史を書かされるんです。たとえば私の場合、保育園の時にセーラームーンの服を着たこと、小学生の頃、アイドルごっこをしたなどを細かく書いていきます。嫌なこと、不具合だったこと、つらかったことも書きだしていきながら、違和感を確認していくわけです。現在、曖昧な感覚のまま揺れている人は、こうした診断は有効だと思いますよ。」
性別違和の度合も、その後の対処法も千差万別である。性別適合手術をせずに女性（男性）ホルモンを打ち続ける人もいるし、手術をする人もいる。彼女の場合、タイで手術することを選んだ。最近は日本でも性別適合手術を行う医療機関はあるが、まだまだ性別適合手術の先進国であるタイで治療することの方が主流なようだ。
治療の種類も様々だが、大きな違いの一つに膣を作るか作らないかがある。もし、作る場合も自分の皮膚を使って作る方法と腸を切って使う方法があり、じゅんじゅんは腸を切る方法を選択した。ちなみにこちらの方が手術代は高くなる。
「費用は一概には言えないんです。どこまで性別違和を取り除くかの度合で変わりますから。ただ、タイなど海外で手術する場合は、その時の為替レートで大きく違います。私の時は、ちょうど円高で50万円ほど安くなりました」
治療期間も手術内容による。彼女の場合、日本を出発し、タイで手術を終え、退院して帰国するまで2週間半だったそうだ。
「手術も大変ですが、その後の療養期間が更に大変です。とにかく痛い。普通に座ることもできず、ズボンはしばらくはけません。生地の固いジーンズがはけた時の喜びと言ったらなかったです。」
彼女は手術から含めると約8カ月の療養とリハビリ期間に当てたそうだ。
「私の場合、かなり貯金していたので、長い療養期間を取ることができましたが、それも人それぞれだと思います。」
療養期間で一番、辛かったのは膣の穴を広げていくことだったと言う。いくら膣の穴を作っても何もしなければふさがってしまう。ピアスの穴と同じである。ロウソク程度の大きさの棒を入れるところから始め、徐々に広げていくのだ。これも、かなりの痛みをともなうそうだ。
また、手術後もホルモン注射を打ち続けなければならない。彼女は3週間に一度、病院に通っている。
「打たないと更年期障害のような症状が出たり、骨粗しょう症になる可能性が高くなるんです。そう考えると女性の身体を維持するためもあるけど、生きるためですね。」
ホルモン注射は、手術前は保険がきかないが、性別適合手術をした後、戸籍も変えていれば女性として「卵巣欠損」という病名で私の場合は保険がきく。参考までに保険適応で女性ホルモンの注射は産婦人科などで1本400円程度。手術前は美容クリニックなどに通い、保険適用外で打ってもらうことになる。相場としては男性ホルモン3000円、女性2000円といったところ。800円でやる闇医者もいるそうだ。
保険が適応になったからといっても、どこの病院でもホルモン注射を取り扱っているわけではない。彼女も最初に連絡した産婦人科では扱っていないと断られている。今、通っている産婦人科では医師が彼女と面談し、話を聞き、手術証明書を確認した上で、ホルモン注射を受けている。
「手術して再スタートできたことは本当によかったです。ただ、手術後の療養期間などを思い返すと、それなりに覚悟はいると思います。」
現在、性別違和を感じる日本人の中でじゅんじゅんのように手術を選択する人は5％らしい。
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GGPパートナーズ
いろいろな職種と人種と性別で構成されるglassgempopcornのメンバー。
