トランスジェンダーの恋愛 ~注目のYouTuber MtFじゅんじゅんの5年(2)~
注目のYouTuber MtFじゅんじゅんの5年 第一回はこちら
「最初、私はゲイだと思っていたんです。」
中学生の頃、男性を好きになって、じゅんじゅんはそう思った。インターネットでもゲイについての情報を収集するようになり、年上のゲイとチャットのやりとりもしていた。
「そのメールのやりとりを消去し忘れ、お母さんに見つかったこともあります。だからお母さんも当時から何となく感づいていたと思うんですよね。」
その後も好きになる人は、ずっと男性だった。ただ、次第に自分が男性として彼が好きなのか、女性として彼が好きなのかを考えるようになる。21歳の時、性別違和を自覚して、はっきりした。自分は女性として男性が好きなのだと。
「性別違和を自覚した後、3つ年上の男性と半年ほど付き合いました。彼との時間は楽しかったですね。彼とはフィーリングがあったので大好きだったんですけど、性別のことではないんですが色々あって別れてしまいました。別れていなかったら、今頃、彼と結婚していたと思います。」
アルバイトをしている頃、よく通っているコンビニの男性店員を好きになったこともある。
「コンビニに行ったときに、レジに彼が立っているとラッキーって思ってキュンキュンしていました。その想いは2年続きました。長い?私、想ったら結構、長いんですよ。初恋の人なんて5年間好きでしたから。」
コンビニの彼とは、何回も顔を合わせているうちに少しずつ会話するようになっていった。そして、ハロウィンイベントの帰り、コンビニに立ち寄ってLINEを交換してもらった。そこからやりとりが始まり、ご飯にも行くようになった。そして、昼間にデートをしたのだが彼からのアプローチはなかった。
「当時、まだ手術はしていなかったけど既に私の外見も声も女性だったから、単に女性としてダメだったんだなぁと思っていました。」
進展しないまま自然消滅のような形で一度は連絡が途絶えた。1年後、ふと彼女は彼のことを思い出し、何気なくLINEで連絡してみた。すると彼から、すぐに返事が返ってきて電話で話すことになった。「ずっと気になっていた。これからは毎日電話しようね」と言う彼の言葉に驚いた。実は両想いだったのだ。
そんな想いの彼に対して、隠し事はしたくないと思い、じゅんじゅんは自分がMtFであることを告げた。「へぇ、そうだったんだ」と彼は特に驚くこともなく、「また、明日ね」と前向きに受け止めてくれた。
しかし、翌日、LINEはブロック。
その後、メッセージを送っても既読にもならず、電話もつながらなくなった。
「ショックでしたけど、MtFと伝えてダメな人は仕方ないですよ。説得して付き合うものでもないですしね。」
タイで性別適合手術を終え、戸籍を変えてから交際した男性もいる。それは手術後、療養中のこと。家でゴロゴロしていたら4キロも太ってしまったのでジムに通うことにしたのだ。そのジムで彼女の身体つくりのメニューなどを担当してくれたスタッフに恋をした。当然、通っているうちに、いろいろ話すようになり、彼女から彼をご飯に誘った。前の経験から、最初にMtFであることを伝えておかないと後々、お互いにとってよくないのでカミングアウトしたのだが、彼は身体を見る専門家なので、彼女がMtFであることは薄々、感じていたと告げられた。その後も連絡をとりあい、3回目のデートの後、彼女は「好き」だと告白した。
「ありがとう。あらためて連絡するよ」の彼の言葉に、彼女は交際を断るための逃げの言葉と感じ、その場で泣いてしまった。すると彼から「好きだよ」と言われる。大逆転の交際が始まったのである。
「でも、3ヶ月で破局しました。当時、私も女性として仕事に就いた直後で仕事が面白くなってきているところで、すれ違いになったというのもあります。今ですか?いないですね。いずれ結婚はしたいですけど・・・。」
少女の初恋のような恋愛は甘酸っぱく終わった。
現在、じゅんじゅんはYouTuberとして視聴者の恋愛相談にのっている。
第三回に続く。
第一回はこちら。
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いろいろな職種と人種と性別で構成されるglassgempopcornのメンバー。